3STEPで完成!パワーポイントで提案書を作る方法

みなさんはどんなツールを使って提案書を作成していますか?

 

ワードやエクセルで作成するとテキスト情報、あるいは数字だらけに偏りがちになってしまうので、視覚的にもわかりやすい資料に仕上げることができるパワーポイントでの作成がおすすめです。

論理と感情の両方に働きかけた方が人は動かしやすいので、その点を踏まえた提案書づくりを心がけたいですね。

 

しかし、いざ作成しようと思っても何から始めていいか分からなくなったり、時間をかけた割には質の低さを感じてしまったりと悩んでしまう人も多いのでは。

 

質やスピードに関しては慣れもありますが、守破離という言葉にもあるように、最初は上手くいく方法を徹底的に真似しながらやり方を覚えていくのが早道です。

 

例えば、ロックバンドなどを想像してみましょう。

 

最初は楽器やボーカルの練習をして基礎を身につけます。これは「守」。

 

次に、いきなりオリジナル曲を作曲することは少ないと思います。お気に入りのバンドのコピーから始め、学んでいくのではないでしょうか。これが「破」の段階です。

 

そして次に自分たちのスタイルを作り、オリジナル曲を作っていくでしょう。これが「離」です。

 

あのザ・ビートルズさえも最初は古い音楽のコピーバンドでした。その後オリジナル曲でブレイクし、偉大なバンドへと成長していった、まさにこの「守破離」の典型的な成功例です。

 

ですから最初は技術を身につけ、他人のものをパクることで学ぶ、これらから始めるのは非常に重要です。パワーポイント、資料作成にも言えることです。

 

まずは基礎を、という方に良い記事をたくさん掲載しておりますので、ぜひ当ブログ、いろいろご覧ください。

 

基礎からわかるパワーポイント入門

 

パワーポイントを使った提案書の作成方法

さて、基礎が身に付き、良い参考資料を見つけ、次に実際にご自身のオリジナルの資料を作っていく段階です。今回は「パワーポイントを使った提案書の作り方」をご紹介していきます。

 

提案書は社外では顧客に自社サービスや商品の利用、購入を促し、社内では業務改善や安全対策などの課題解決に繋がる重要な資料です。

 

提案書の作成に不安がある方は以下の3ステップに沿って作成してみましょう。

上記の流れで進めていくことで、手当たり次第に作成するよりも短時間で、かつ効果的な提案書を作ることができるはずですよ。

 

ここからはまずそれぞれの工程について詳しく解説していきますね。

提案書でも重要な「ペルソナ設定」

効果的な提案書を早く作成するコツはいきなりパワーポイントで作り始めないことです。

まずは伝える相手(ペルソナ)が明確になっていないと良い提案書はつくれません。

 

成功する提案では次の2つの条件をクリアしています。

 

1つ目が自分自身がサービスの良さを理解し、サービスが良いものと信じていること。

2つ目が「相手にどのような形で役に立てるのか」が明確になっていることです。

 

つまり、自分たちが良いと思っていなければ相手には伝わりませんし、いくら良いサービスを提供していても、その良さを相手に気付いて貰えなければ新たにサービスを導入してもらえる可能性は低いということですね。

 

ですので、相手に良さを気づかせるためにも「ペルソナ設定」をしておきましょう。

ペルソナを設定しておくことで書くことが明確になり、早く資料作成ができる効果もあります。

 

ペルソナ設定をマスターしよう

相手に刺さる提案書をスピーディーに作成するためにはペルソナ(具体的な人物像)を明確にしておくことです。

 

たとえばスマホの使い方をレクチャーする場合、相手が若者か高齢者かでは、伝える情報が大きく異なりますよね。

 

誰に対して提案するのか分かっていれば情報の取捨選択もしやすくなりますので、まずはじめにペルソナを設定していきましょう。

 

ペルソナ設定は以下の手順で行います。

 

ペルソナ設定でよくある失敗は「自分たちに都合の良いペルソナ」を作り上げてしまうことにあります。

 

きっと◯◯だろうという先入観を捨てなければ、相手の本当に求めていることを高い精度で予測することはできません。

 

そのため、上記の中でも「情報収集」はペルソナ設定で最も重要な工程になります。

 

それぞれの工程の要点についても解説していきますので、ぜひこの機会にペルソナ設定のやり方をマスターしてしまいましょう。

 

人物像を明確にするための情報収集

まずは提案する相手の人物像を明確にするために、ヒアリングや社内データ、ネット検索などから提案する相手に関する情報を集めます。可能であればアンケート調査などをするのがいいでしょう。

 

相手に関する情報が多ければ多いほど正確なイメージが思い浮かべやすくなるのは間違いないです。少なくとも相手がどんなことに悩んでいて、何を期待しているのかは理解しておいた方が心を動かしやすくなりますね。

 

提案する相手の身近にいる人物や、同じポジションにいる知人などに聞くのも良いと思いますよ。

 

情報を整理してペルソナを作る

情報がある程度集まったら、情報を整理してたった一人の人物像を作り上げていきます。相手のプロフィールを作成するイメージで取り組んでみてください。

 

たとえば以下のような情報です。

 

  • 年齢
  • 性別
  • 職業、役職
  • 年収
  • 人間関係
  • 家族構成
  • 不満、悩み
  • 大切にしている価値観

 

など

 

徐々にペルソナの精度を高めていく

ペルソナは一度作って終了ではありません。

 

ペルソナは常に更新していくものです。

 

最初の段階では仮説で構わないのでおおよその人物像を設定し、その人物とのやり取りを想定しながらより正確な人物像を作り上げていきましょう。

手書きでもいいのでラフを作成する。

パワーポイント作成に関する多くの書籍やウェブサイトで、「まずは手書きでラフを作る」ことが推奨されています。なぜ最初からパワーポイントに向かうのではなく、手書きなのでしょうか。

 

実は手書きとデジタルには、科学的な観点から見て違いがあることがわかっています。プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校が行った、興味深い実験がありました。

 

 

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【実験】

学生たちを、「ノートパソコン」を使って講義のメモをとるグループと「紙とペン」を使って講義のメモをとるグループに無作為で分け、講義終了後にテストで理解度を調べる。

 

【結果】

ノートパソコンを使った学生より、紙とペンを使った学生のほうが成績がよく、発想も豊か。

 

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「手書き」と「デジタル」で徹底比較! アイデアが泉のように湧き出るメモ帳の使い方。

 

 

調査によると、手書きメモのグループは、聞いた情報を自分自身の言葉でまとめてメモしていましたが、ノートパソコンのグループは情報をそのまま転記していただけでした。これは手書きメモが情報処理という過程を刺激するため、記憶定着やアイデア発想につながる可能性があります。

 

たとえばこのような、「絵コンテ」を作るとよりイメージがわきます。絵はざっくりでいいと思いますが、「このページではこのことを伝えたい」がわかるように作っていきます。

 

もちろん、説明の順番もこの段階で練りながら作ります。デザイン、レイアウトもある程度はこの段階で考えた方がいいと思います。

 

パワポを実際に作成していく

手書きで構成が準備できたら、その流れに沿って提案書をパワーポイントで作成していきます。

 

冗長な表現にならないよう簡潔な文章を心がけて下さい。

 

資料作成の達人は前述の手書きにたっぷり時間をかけるそうです。ここで作りこめば作りこむほど、パワポ作成自体が「簡単な作業」となるため、結果的に作業効率が良くなります。

相手に刺さる提案書を作成するために意識したいポイント

相手に刺さる提案書を作成するためには、伝わりやすいデザイン・レイアウトと作成タイミングに合わせた情報選択が重要です。

 

以下の4点を意識してスライドを見やすく整えてみてください。

それぞれ解説していきます。

色は基本3色

基本的に色は3色までに抑えましょう。

 

たくさんの色を使った方が鮮やかになりますが、わかりやすさの観点から見ると3色程度に絞った方が聞き手への負担が少ないです。

 

色は「ベースカラー・メインカラー・アクセントカラー」の3色を意識して選ぶことで、見やすい資料に仕上がります。

比率はベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%がベストです。

 

聞き馴染みのない方もいらっしゃると思うので、もう少し詳しく解説しますね。

 

まずベースカラーは、主に文字に使う色のことです。70%ぐらいはこちらの色です。

背景は白にして、文字は「濃いめのグレー」の方が読み手に優しく読みやすいと思います。

黒は少し強すぎるため、避けられる傾向が最近あります。

 

次にメインカラーですが、見出しや強調したい部分などに用います。約25%を心掛けましょう。

 

 

最後にアクセントカラーは、特に強調したい部分に使ってください。5%と覚えて厳選して使ってください。

 

 

以上のことを意識して、色は3色程度に抑えましょう。

 

色使いについて詳しくは、こちらの記事で紹介しています。

 

【例あり】見やすいパワポの色使い 基本は3色・多くて5色まで

フォントサイズと種類

フォントサイズは提案書をプレゼンテーション形式で発表するか、A4用紙などにまとめて配布するかで異なります。

 

プレゼンテーション形式で発表する場合は本文と見出しが28pt〜32pt前後、強調したいメッセージは44pt以上に設定するのがオススメです。

 

その程度の大きさに設定しておけば、後方部の座席の聞き手でも文字が見やすいでしょう。

 

一方で、提案書をA4用紙にまとめる場合はもっと小さいフォントサイズでも大丈夫です。たとえば、本文は16ptに設定することで1行が40字ぐらいになって読みやすいです。

その上でタイトルと見出しを24pt前後にすれば、本文と見出しの違いができて文章構造の理解が容易に。

 

他にも目立たせたいメッセージを28pt〜32pt、補足説明は8pt前後などの工夫を凝らすことで一目でどこを見るべきか把握しやすい資料に仕上がります。

 

次にフォントの種類ですが、メイリオがおすすめです。

 

その理由は次の3つにあります。

 

1.文字バランスが優れていて見やすい

2.太字(Bold)が見やすく、強調する手段として使える

3.WindowsとMacどちらでも表示できる

 

基本的にはメイリオに設定しておけば間違いありませんね。

 

また、フォントの色は濃いめのグレーがオススメです。

 

デフォルトでは黒に設定されていますが、濃いめのグレーの方が長時間見ていても疲れませんよ。

 

パワポでのフォント選びについてはこちらで詳しく解説しています。

 

パワポのフォント選びに迷ったら読もう!良いフォント・悪いフォント一覧【Windows編】

目線の流れを意識

プレゼンの聞き手が最初に注目するのは”左上”です。

 

基本的に目線はZ字型またはF字型に動いていくので、その動線に沿って情報を配置していくことを心がけましょう。

 

たとえばグラフや図を用いて説明する場合でも「左にグラフ・画像、右にテキスト」と配置した方が瞬時に理解しやすいです。

 

提案書をプレゼンテーション形式でまとめる場合は特に、目線の流れも強く意識しておきたいですね。

 

このルールを無視して逆N字型の情報配置をしてしまうと聞き手に大きな負担がかかってしまいますので、情報配置はZ字型またはF字型を意識してみてください。

 

パワポの読み手の目の動きについてはこちらの記事で解説しています。

 

 

見やすいパワーポイントは読み手の「目の動き」も意識する。

余白をつくる

人は空いているスペースを見るとそれを埋めたくなる習性があります。

 

しかし、余白がないスライドは非常に勿体ないです。

 

なぜなら情報量が多すぎると強調したい部分が薄れますし、テキストも読みづらくなってしまうからです。

人によっては圧迫感からストレスを感じることもあるでしょう。

 

そうした事態を避けるためにも、余白を意識的につくることが重要です。

 

どの程度の余白を確保するべきか分からない人は、Docswellなどのスライド共有サイトで心地よいと感じるスライドを探してみると新たな発見があるかもしれませんよ。

 

こちらの記事の最後の方でも解説しています。

 

パワポで見やすいプレゼンを作る6つのコツ【その1】

 

提案書に使えるイラスト素材

イラスト素材をスライドに差し込むことで視覚的にもわかりやすい資料に仕上がります。

 

無闇に挿入すれば情報量が増えて聞き手の集中を奪ってしまいますが、要所要所に差し込めれば効果的です。

 

パワポで使えるフリー素材サイトはこの2つの記事で多数紹介しています。

いずれも人気記事です。

 

パワポで使える!イラスト・写真のおすすめフリー素材サイト10選

 

【2023年最新版】パワポで使える無料のイラスト素材サイト10選

3STEPで完成!パワーポイントで提案書を作る方法・まとめ

本記事ではパワーポイントで提案書を作成する方法を3STEPに分けてご紹介いたしました。

 

提案書を迷わず作り始めるためにはまずペルソナ設定をしてターゲットの人物像を明確にし、人物像をベースに作っていくことで先にゴールを決めてしまうことです。

そうすれば後は逆算して必要な情報を揃えていくだけになります。

 

よくある失敗は「いきなりパワーポイントを立ち上げて作ろうとする」ことですので、焦る気持ちをグッと抑え、まずは手書きで思考の整理をしましょう。

 

今回ご紹介したことを実践していただくだけで、パワポ資料の質はグッと上がるでしょう。

 

ぜひ参考にしてみてください!