パワーポイントのアニメーション機能は、簡単にテキストやオブジェクトを移動させたり、非表示の状態から表示させるといった演出ができる機能です。
アニメーションをうまく使いこなせれば聞き手の期待感を高めたり、伝えたいメッセージを効果的に届けることができるため、一段階上のプレゼンとして魅せることも可能になります。
一方で、アニメーションを使うことにはデメリットもあることをご存じでしょうか?
アニメーションは実は目の動きが多く、多用すると読み手が疲れてしまいます。
アニメーションは適切に使えば効果的になりますが、使い方を誤れば集中力を妨げるノイズとなり、逆効果になってしまうこともあるのです。
せっかく時間をかけて練り上げた構成やプレゼン内容なのですから、少しでも魅力的に魅せたいですよね。
ぜひこの機会にアニメーションの役割や使い方について理解し、効果的に使える方法について学んでいきましょう。
今回はパワーポイントの効果的なアニメーションの使い方と実際の使用例についてご紹介いたします。
プレゼン資料にアニメーションを使用するメリットと注意点
プレゼン資料にアニメーションを使用するメリットについてですが、アニメーションの役割には大きく分けて次の2つが挙げられます。
- 目線の誘導
- 聞き手の注目を集める
聞き手の目線は基本的に左から右へ、スライドの全体像を把握する際にはZ字型、もしくはF字型に動いていきます。
参考ページ 見やすいパワーポイントは読み手の「目の動き」も意識する。
この基本も大切なのですが、それと合わせて人間には違和感のある場所に自然と注意が向いてしまう習性があることも知っておきましょう。
たとえば非表示だったテキストやオブジェクトが説明に応じてポツポツと表示されていけば、聞き手は自然と浮き上がってくるテキストなどに注目してくれます。
アニメーションには聞き手の期待感を高める効果もあるので、ポイントとなるところにだけ使うようにしたいですね。
シンプルで、自然な目の動きに合わせたアニメーションを心掛けましょう。
ただ、その一方でアニメーションには注意点もあります。
それは、アニメーションの多用は逆効果だということです。
必要以上にアニメーションを設定してしまうと、以下のようなデメリットが発生してしまいます。
- 重要なメッセージがわからず、何を伝えたい資料なのか聞き手に伝わらない
- 目の動きが多くて聞き手が疲れてしまう
- 重要でない細部にこだわり、資料の完成度を落としやすい
この中でも特に致命的なのは「重要なメッセージがわからない」「何を伝えたい資料なのか聞き手に伝わらない」といった部分でしょうか。
アニメーションはあくまでも伝えたいメッセージを強調する手段にすぎません。
アニメーションを付けることが目的になってしまわぬよう、十分に注意してください。
どうか資料作成において最も重要なのは「資料の内容」であることを忘れないでください。
アニメーションを使わなかったとしてもプレゼンに問題はありませんが、構成が練り込まれておらずメッセージが不明確ならば大問題です!
アニメーションを作り込む労力を資料の内容そのものを向上させるために注ぎ込んだ方が良い結果に繋がる可能性は高くなります。
もし、プレゼン構成の効果的な組み方を知りたいという方がいらっしゃいましたら、下記の記事にて解説していますので、よろしければ参考にして頂ければと思います。
参考:プレゼンテーションは構成で決まる!効果的な組み立て方4選
ビジネスシーンで活用しやすいおすすめのアニメーション
ビジネスシーンで活用しやすいオススメのアニメーションをいくつかご紹介いたします。
フェード
フェードは霧の中からボヤッと現れるように表示されるアニメーションです。
表示のスピードを変えたり、1文字ずつ表示するようにしたりもできます。
ワイプ
ワイプは左から右などに向かって徐々に表示されるアニメーションです。方向は色々変えられます。
フェードよりも少し強くアピールしたい部分などに使うと良いでしょう。
ワイプも使いやすい部類に入ると思います。
スライドイン
スライドインはテキストボックスやオブジェクトが画面外からスライドにして滑り込んでくるアニメーションです。こちらも向きは色々変えられます。
動きがあるので注目は集まりますが、目の動きが大きくなるので多用は厳禁です。
ズーム
ズームはテキストやオブジェクトがゆっくりと拡大されて大きく表示されるアニメーションです。
結論や特に重要なメッセージを強調したい場合などに有効ですね。
こちらも使いすぎるとくどい印象を与えるので、多用は控えましょう。
パワポでアニメーションを効果的に使うためのポイント
ビジネスシーンのパワーポイントに活用しやすいオススメのアニメーションをご紹介いたしましたが、弊社ではお客様から「ここをアニメーションで強調してほしい」などのご依頼がない限り、こちらからアニメーションの使用を提案することはほとんどありません。
なぜなら、アニメーションを見境なくつけてしまうと、重要なメッセージがボヤけてしまい聞き手に伝えたいメッセージが伝わりにくくなってしまうことがあるからです。
また、自分自身も「こっちから登場させたほうがいいか?」「スライドインよりワイプか?」などとプレゼン内容と関係のないところで悩み、ドツボにハマって資料が完成しないといったことが起こりやすくなります。
アニメーションを効果的に使うためには3つほど押さえておきたいポイントがありますので、そちらについても確認していきましょう。
パワポの強調したいところのみにアニメーションを使う
パワポでアニメーションを効果的に使うためのポイント1つ目は、強調したいところにアニメーションを使うことです。
繰り返しにはなりますが、アニメーションの役割はメッセージを強調することにあります。
「相手にこのメッセージだけは絶対に伝えたい」という重要なポイントに絞って付けることが重要です。
アニメーションは使わなければ聞き手に大きな変化は起こりませんが、使い過ぎれば聞き手に大きなストレスを与えてしまうこともあるため、迷うならば付けない方が良いかもしれませんね。
また、別の観点から見れば大事なメッセージがたくさんあるようだと、自分自身もメッセージを絞り込めていない可能性があるので、もう一度プレゼンの内容や構成を練り直した方が早い場合もあります。
ですので、アニメーションはメッセージを絞り込んだ上で、強調したいところだけに限定して使うようにしましょう。
パワポのアニメーションは開始のタイミングや継続時間に工夫を
パワポでアニメーションを効果的に使うためのポイント2つ目は、開始のタイミングや継続時間を工夫することです。
パワポのアニメーションでは、アニメーションごとに開始・終了のタイミングや、効果の継続時間などを設定することができます。
たとえば開始のタイミングでは「クリック時・直前の動作と同時・直前の動作の後」の3つのタイミングを設定できるようになっていますよね。
これら3つをうまく活用することで、より表現の幅を広げることも可能です。
具体例としては、自分のタイミングで動かしたい時は「クリック時」を設定。
複数のオブジェクトを同時に動かしたい時は「直前の動作と同時」に設定。
そして、複数のオブジェクトを順番に動かしたい時は「直前の動作の後」といった具合に目的に応じて設定できます。
これに加えて継続時間をデフォルトの値から任意の値に変更すれば、説明が終わるぐらいのタイミングで自動的に次のアニメーションを動かすといった芸当もできたりします。
設定したアニメーションはプレビュー機能で素早く確認できるので、こまめにチェックしてちょうど良い間隔に設定しておきましょう。
パワポのアニメーションでは動きに一貫性を持たせる
パワポでアニメーションを効果的に使うためのポイント3つ目は、動きに一貫性を持たせることです。
ぜひ皆さんにもご想像いただきたいのですが、もしスライドの上下左右の至る所からランダムにテキストやオブジェクトが表示されたら、あなたはどう感じるでしょうか?
恐らくですが、内容に集中できないことで、少しイライラしてしまうのではないでしょうか。
人によっては「ふざけているの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
このように、アニメーションを付けている側からすれば遊び心で付けたアニメーションであっても、聞き手からすれば内容に関係ないノイズと捉えられてしまう可能性があるのです。
アニメーションはあくまでもメッセージを強調する手段の一つに過ぎませんから、使用には自分なりのルールを設けておきましょう。
もちろんこれは一例ですし、大事な部分にだけアニメーションを付けるといったシンプルさでも十分だと思います!
アニメーションは聞き手への負担を減らし、期待感を高めるために設定することを忘れないでくださいね。
パワーポイントの効果的なアニメーションの使い方【開始編】【まとめ】
今回はパワーポイントの効果的なアニメーションの使い方、【開始】についてご紹介いたしました。
すでにあるオブジェクトを強調したい、あるいは消したい、それらを組み合わせたい、と言った方は、下記記事をご参照ください。
アニメーションの役割は大きく分けて「目線の誘導」と「聞き手の注目を集める」ことの2つにあります。
アニメーションはプレゼンに動きが出て見栄えがするので多用したくなるかもしれませんが、聞き手に「伝えたいメッセージが伝わり、相手を動かす」ことがプレゼンの本来の目的です。
アニメーションはあくまでも伝えたいメッセージを強調する手段にすぎませんので、まずはプレゼンの内容と構成、ストーリーなどをしっかりと練り上げることが重要です。
その上で、伝えたいメッセージを効果的に伝えるためにアニメーションを使用する、という順番を間違えないようにしましょう。
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