見やすいパワポの色使いは基本は3色・多くて5色までが◎

パワーポイントの資料では、あれこれ原色をたくさん使うより、できれば3色、多くとも5色以内にすると見やすくなります。

前々回の投稿で、「見にくい」と言われるパワーポイントの資料の共通点について3つお話しました。その3点は以下の通りです。

 

  1. 統一感がない
  2. 色を使いすぎている
  3. 受け手の目の動きを考えていない

 

これらの問題は、デザインの基本をおさえることで、意外に簡単に解決します。

 

多くの方がパワポを作る際に「がんばりすぎて」しまっているように思います。その結果、配色の原則などを無視したたくさんの色を使いすぎてしまっています。この記事をご覧になっている方の多くが「デザイナー」ではないと思います。私もデザイナーではありません。非デザイナーの方が資料を作成する際に抑えるべきポイントはそれほど多くはありません。もっと楽することを覚えましょう!

 

今回は、「② 色使い」に注目して、情報が印象に残る、見やすいパワーポイント資料の作り方の基本について、例を交えてお話していきます。

目次

目立つ原色だけでは、「情報が目立たない」パワーポイントに

パワーポイントの資料・スライドは、「読み手に読んでもらう」ことが最も重要です。目立たせようと赤・青・黄といった原色をたくさん使って作られている資料をよく見かけます。原色は目に飛び込んできやすく、メリハリが出やすいと思っている方が多いのがその理由かと思います。

 

しかし、原色を使いすぎると、実はメリハリが出ないどころか、どこが大事かわかりにくい、見にくい資料になりがちなので、かえって逆効果なのです。

 

例えば、赤・青・黄の3原色だけで作られた、下の例をご覧ください。

目立つ原色だけでは、「情報が目立たない」パワーポイントに

原色を使うことで資料自体に注目を寄せることはできます。しかし、この資料の中で何を伝えたいのか、その情報を一目でつかむのは難しいのではないでしょうか。

 

このように原色を使いすぎると以下のような問題が出てしまうのです。

 

- 目を引く色が多いため、どこを見ていいのか迷ってしまう。

- どの色も強いために、重要な点が見えてこない

- 資料を読もうと思っても、目が疲れて読みづらい

 

これは決して極端な例ではありません。残念ながら、弊社にご依頼いただいているお客様のパワーポイントを見ても、赤・青・黄など原色で多数使っていて、目がチカチカしてしまう原稿をよく見かけるのです。

 

それでは、どのような色づかいをすれば、目に優しく、読んでもらいやすいでしょうか。その色づかいの基本をお話します。

使う色は3色が基本

見やすいまとまったパワーポイントの作り方は、3色に抑えるのが基本です。これは、パワーポイントに限らず、様々なデザインにも通じる話です。例えばパワーポイント作成研修などに登壇させていただくことがありますが、私がこの話をすると「インテリアと同じ」「ファッションと同じ」と言われることがあります。

 

特にパワーポイントの場合、情報の強弱をつけるためにも、この3色の比率も非常に重要になります。

 

色の使い方の原則としては、次のようになります。

 

ベースカラー70%:メインカラー25%:アクセントカラー5%

パワーポイント資料の色使いの考え方 ベースカラー、メインカラー、アクセントカラーはこのような比率にするのが最適です。

パワポのテキストは少しグレーにするのがおしゃれにするコツ

こちらは話のついでではありますが、テキストは「黒」より、「少しグレー」にすると、目に優しく、読みやすく、またスタイリッシュにもなります。比較してみましょう。

パワーポイントのテキストの色は、黒より、少しだけグレーにした方が目に優しく見やすい資料になります。

パワーポイントでグレーを効果的に使う方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。

 

参考記事:企画書などパワポの色使い・迷ったら「コーポレートカラー+グレー」で問題なし!

テキスト以外の色も原色ではなく、「中間色」を使うとぐっとおしゃれに

「中間色」というのをご存じでしょうか。細かい説明は省きますが、「原色に少しグレーを足した色」ということになります。

パワーポイントの資料の色使いでは、派手な原色より、「中間色」を使うと落ち着いて見やすい資料になります。

パワポの企画書やスライドでも、原色使いをやめて、中間色にすると、ぐっと落ち着いて、目に優しく、読んでもらいやすい資料になります。

 

それでは、さきほどの原色ばかり使ったパワポを、中間色で作り直してみましょう。

パワーポイントの企画書など、「中間色」で3色以内に抑えると、スタイリッシュ、おしゃれな感じになります。それだけでなく、読み手に優しい資料となります。

先ほどの原色3色に比べて、非常にすっきり見やすい印象になったのではないでしょうか。このような色使いのパワポは現在はあらゆる業種でトレンドとなっていますが、それにもしっかりと意味があるわけです。

3色が難しければ、濃い/薄いを使って5色までにすると見やすい

ただ、3色で見やすくまとめるのは、実は結構、経験とテクニック、情報の絞り込みなどが必要になります。意外に思うかも知れませんが、要素を増やした複雑なデザインほど簡単に作れます。逆に、シンプルな洗練されたデザインほど、まとめる能力や経験・テクニックがいるため、非常に難しいのです。

 

3色だと難しい場合であれば、5色ぐらいまでにおさえることを意識するといいかと思います。ただ、5色と言っても、適当に原色などを使ってしまうと、冒頭のような見づらいパワーポイントに逆戻りになってしまいます。

 

そこで意識をして欲しいのが、色の濃淡を使うことです。

 

例えば、

 

  • ベースカラー=グレー
  • メインカラー=ブルーを「濃い/薄い」の2色
  • アクセントカラー=オレンジを「濃い/薄い」の2色

 

と、メインカラー・アクセントカラーのそれぞれに「濃い・薄い」の違いを作って、5色にすることができます。冒頭の「サイト運営の流れ」をこの5色で構成したのがこちらの例です。

パワーポイントを作成する際、色使いは多くてもこのように濃淡を使い分けて5色までにするのがオススメです。

色の「濃い/薄い」を使うことで5色でも、3色でまとめたときと同じように、すっきりと見やすい印象があります。これなら作成もそれほど難しくないのではないでしょうか。

見やすいパワポの色使い【まとめ】

見やすいパワーポイントの資料作成の色使いで重要なのは、色使いを色々工夫して目立たせることではなく、しっかりと読みやすい、読み手が読む気になる資料をつくることです。

 

そのためには、内容の重要度に合わせて、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーの3色を使うことが、基本的な考え方になります。それだけでは難しい場合は、色の「濃い・薄い」を含めた5色までにおさえることで、見やすく、内容の印象が残りやすいパワーポイントが作れます。

筆者

玉田 賢司

合同会社ドキュメントプラス 代表社員

玉田 賢司Kenji Tamada

前職から含めるとパワーポイント歴約20年。ドキュメントプラス開業以降の顧客数は1,000社を突破。「デザイン性の高い資料」は不要と考え、「シンプルで、見やすく伝わりやすい資料作成」にこだわり。そのノウハウの他、パワーポイント操作の時短術など、2014年より当ブログで発信。