文字では伝えにくい情報も、グラフにすることで視覚的にも直感的にもわかりやすくできる場合があります。
エクセルと同様にパワーポイントでも簡単にグラフを作成することが出来ますが、作成したグラフをそのままスライドに挿入していないでしょうか?
実は作成したばかりのグラフは目盛線が付いていたり、多くの色が使われていたりと、聞き手に負担のかかる余分な要素がたくさん含まれています。
また、そうした要素を取り除いていても、「もうひと工夫」を加えていないことで、とても惜しいグラフになってしまっているケースも少なくありません。
ちょっとした工夫をするだけでも、グラフを今まで以上に効果的に見せられるようになりますので、ぜひこの機会にグラフを効果的に作るためのポイントをマスターしていきましょう。
目次
パワポで作るプレゼン資料にグラフを使うメリット
グラフは2つ以上のデータの関係を表す図のことですが、グラフには難しいことを視覚的にわかりやすくする効果があります。
たとえば、上のように数字をただ横並べにした時よりも、グラフを使った時の方が視覚的にデータの傾向を掴むことができますよね。
弊社では原稿に数字の羅列があると、「グラフにできないか」と考えるようにしています。
また、テキスト情報だけだと圧迫感があって聞き手にも負担が掛かりますが、グラフであればテキスト情報を減らしてスッキリと見やすいスライドに変化させることが可能です。
文字だけでは伝わりにくい情報も、グラフを使えば視覚的に全体像を伝えられるようになるため、グラフをうまく作り、使いこなせれば表現の幅がグッと広がります。
パワーポイントでよく使うグラフの種類と特徴
パワーポイントには実にたくさんのグラフが作れます。
参考までにご紹介すると、
- 棒グラフ
- 円グラフ
- 折れ線グラフ
- 面グラフ
- 散布図
- レーダー
- ヒストグラム
- 株価グラフ
- ツリーマップ
- サンバースト
- バブルチャート
それ以外にもマップや等高線、ウォーターフォールといったマニアックなものもあり、よほど専門的なビジネスパーソンでないと使いこなせないほど、グラフの種類は多いです。
ただ、これらを全て使いこなす必要はありません。
まずはビジネスでよく使われるグラフを3種類ほど覚え、それ以外については必要に応じて学んでいけば大丈夫ですよ。
数あるグラフの種類の中でも、次の3つのグラフはビジネスシーンでもよく使われています。
- 棒グラフ
- 円グラフ
- 折れ線グラフ
まずは上記3つのグラフを使いこなせるようにしていきたいですね。
ただ、同じグラフでもそれぞれ得意・不得意とするデータの種類があります。
量の大小を表したい時はこれ、傾向を表したい時はこれといった具合に、よく使用されるパターンを理解しておき、次回または今回の資料作成からグラフ作成のスキルを向上させていきましょう!
ここからは棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフそれぞれについて、特徴と具体的な使用例について解説していきますので、ぜひグラフ作成時の参考にしてみてください。
値の比較をはじめさまざまな使い方ができる「棒グラフ」
棒グラフの特徴
- 大小の比較、変化の傾向を表すのが得意
- 変化のインパクトが伝えやすい
よく使われる場面
- (縦棒グラフで)売上高、利益、認知度などが上がったor下がった
- (横棒グラフで)売れ筋商品のランキング
- (積み上げ棒グラフで)複数事業の売上高の推移
大きいものから小さいものへ、あるいは逆に小さいものから大きいものへと並べるか、時系列で並べることで見やすい棒グラフになる場合が多いかと思います。
ただ、イレギュラーなデータが含まれている時は少し注意が必要になります。
データが綺麗に右肩上がり、あるいは右肩下がりになっていれば分かりやすいですが、それほど都合のよいデータが取れないことの場合もあります。
たとえば、本当は「昨年度でようやく売上高10億円を達成できた!」ということを伝えるためのスライドだったはずが、全体的には右肩上がりのグラフに一箇所だけガクッと売上が落ちている部分があったらどうでしょうか?
恐らく、聞き手の一部は「なぜあそこだけ売上が落ちたんだろう?」と、伝えたいこととは関係のない部分に注意が向いてしまいますよね。
その場合はグラフ化する範囲を絞ったり、吹き出し等を使って「補足説明をする」ことで対処しましょう。
「コロナ禍で需要減少」「機械トラブルでサーバーがダウン」など具体的な理由や背景を伝えることで説得力が増し、聞き手の注意を本題に戻すことができるはずです。
もし、グラフにイレギュラーなデータが含まれている時は補足説明をして、その場で疑問を解消してあげましょう。
また、縦棒グラフと並んでよく使われる積み上げ棒グラフについてですが、軸にラベルで数値を記載しておくのが良いでしょう。
なぜなら、積み上げグラフは2段目以降の数値は目盛りが0からのスタートにならず、瞬時に数量を把握するのが困難だからです。
比率を明確に表現できる「円グラフ」
円グラフの特徴
- 構成比率を表すのが得意
よく使われる場面
- サービスの認知率
- 顧客満足度
- 男女比、年齢層
比率に関しては、棒グラフで表現できないこともありません。
しかし、円グラフの方が伝わりやすいことが多いです。
理由は棒グラフだと要素がバラバラになっていて比較しづらいですが、円グラフは一箇所に要素が集約されていますし、100%のうち要素Aは何%ぐらいあるのか、といった情報が直感的にも分かりやすいからです。
ただし、円グラフを使用する際に注意しておきたい点があります。
大前提として円グラフは「合計が100になる場合」にのみ使えます。
例えば売上個数では100にならない場合はパーセントに換算する必要があります。
また、円グラフを並べての比較は困難であることにも注意が必要です。
たとえば前年と今年の比率の変化を表現したい時に、「円グラフは比率が得意だから」と円グラフを2つ横並べにしても、どのぐらい変化したかが非常にわかり辛いです。
比率の変化を比較したい場合は、積み立て棒グラフでも一度作成してみてください。
そして、「複数要素の表現」には向かないことも覚えておきましょう。
円グラフは比率に強い一方で、要素が増えるほど個々のデータの大きさが分かりづらくなるという弱点もあります。
要素が4つ以上になってしまう場合は棒グラフでも作成してみて、どちらが瞬時に分かりやすいか比較した上で、どちらのグラフを採用するか決めましょう。
変化や傾向を伝えやすい「折れ線グラフ」
折れ線グラフの特徴
- 変化の傾向、関係性を表すのが得意
- 時系列のデータは取り扱いやすい
よく使われる場面
- 年間の値の推移
- 売れ筋商品の比較
- (棒グラフと組み合わせて)要素Aと要素Bの関係性 ex.従業員数と離職率の関係性
注意点としては比較する要素が多すぎると、どこを見ていいのかわからない折れ線グラフになってしまいます。
要素は多くても4つくらいに抑えましょう。
もし複数の要素がある場合は、特定の要素だけ注目して欲しい場合はそのグラフ軸だけ色を濃くして、それ以外の要素に関しては薄い色にするかグレーにするなどの工夫によって一段と見やすい折れ線グラフになります。
パワポで効果的にグラフを作るためのポイント
パワポで効果的にグラフを使うためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ご紹介する全てをいきなり実践するのは難しいかもしれませんが、1つのポイントを実践するだけでも一段階見やすいグラフに仕上がると思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
テーマカラーとグラフの色を合わせる
パワポで効果的にグラフを使うためのポイント1つ目は、「テーマカラーとグラフの色を合わせる」ことです。
詳しくは下記の記事で解説していますが、基本的には「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラー」の3色をバランスよく使ってスライドを作成することで、聞き手の目に優しく、伝わりやすい資料を完成させることができます。
参考記事:【例あり】見やすいパワポの色使い 基本は3色・多くて5色まで
もし貴社のテーマカラー(コーポレートカラー)がある場合は、その色とグラフの色を合わせると統一感が出てスッキリとした印象になります。
見やすい色の配分はベースカラーが70%、メインカラーが25%、アクセントカラーが5%だと言われていますから、メインカラーに貴社のテーマカラーを使用し、その色とグラフの色を合わせてみてくださいね。
色の持つイメージを利用する
パワポで効果的にグラフを使うためのポイント2つ目は、「色の持つイメージを利用する」ことです。
人はそれぞれの色に対して特有のイメージを持っていて、知らず知らずのうちに心理面や物事の感じ方で影響を受けています。
色彩心理学では、一般的に次のようなイメージを受けるとされています。
- 赤 エネルギッシュで外交的、情熱的、危険
- オレンジ 朗らか、親しみやすい、暖かい、活力
- 黄 快活、軽快、明るい
- 緑 さわやか、調和、平穏、慎重
- 青 誠実、集中、清潔、信頼
- 紫 上品、女性的、厳粛、古典的
この中でも特にビジネス利用が多いのは「青色」ですね。
円滑にビジネスを進めるためには信頼が欠かせませんから、「信頼」の心理的効果を持つ青色は多くのビジネスパーソンから好んで使われています。
また、売上が下がっていることを主張するグラフであれば、ネガティブな雰囲気の出る赤を効果的に使うのも良いでしょう。
こうした色の心理的効果を元に使用する色を決めることも出来ます。
グラフの見て欲しい部分にだけ色を付け、それ以外の部分はグレーで統一することで、格段に見やすいグラフへと変化させることができるはずです。
グレーの使い方は、下記記事も参考になります。
参考記事:企画書などパワポの色使い・迷ったら「コーポレートカラー+グレー」で問題なし!
目立たせたい数字を大きくしてグラフに添える
パワポで効果的にグラフを使うためのポイント3つ目は、「目立たせたい数字を大きくしてグラフに添える」ことです。
先ほど、目立たせたいグラフ軸の色を変え、他のグラフ軸をグレーにするだけでも見る人の注意を引き、わかりやすくなるとお伝えしました。
たしかに、それだけでも十分に分かりやすいのですが、それに加えて数字を目立たせたいグラフに添えることで、より効果的に伝えることもできます。
色と数字で見る人の注意を引き、同時に聞き手の負担も減らしてあげましょう。
強調したいところを囲んだり吹き出しで目立たせる
パワポで効果的にグラフを使うためのポイント4つ目は、「強調したいところを囲んだり吹き出しで目立たせる」ことです。
折れ線グラフであれば、見て欲しい部分を「丸で囲む」ことでわかりやすくなります。
また、聞き手から突っ込まれそうなデータが含まれている場合は、吹き出しを使ってプレゼンの過程でサラッと補足してしまうのも良いアイデアだと思います。
先ほどご紹介した「色の差をつける」というテクニックと合わせて作るとより効果的になるので、目立たせたい部分は四角の枠や丸で囲ったり、吹き出しを使って強調してみてはいかがでしょうか。
補助線を引く
パワポで効果的にグラフを使うためのポイント5つ目は、「補助線を引く」ことです。
たとえば積み上げ棒グラフなら"比較"を容易にしてくれます。
グラフの要素を追加する機能で「区分線」を表示することで簡単に補助線を引くことができます。
数字と合わせて変化量も分かりやすいですね。
また、棒グラフなら"基準値"を明確にする際に便利です。
補助線で目標を明確にし、目標に達成している人は青色、達成できなかった人はグレーになっています。
なぜAさんとBさんは達成できたのか、という話に繋げていけそうですね。
さらに、折れ線グラフなら見る"範囲"を限定してやることもできます。
折れ線グラフだけならそれほど特別なグラフではありませんが、補助線で見る範囲を制限したことによって範囲内のデータが注目すべきデータへと変わりましたね。
補助線は上手く活用することで聞き手の負担をグッと減らしてくれます。
なかなか使い所が難しい補助線ではありますが、使えると便利なので今回ご紹介したような場面に遭遇した時はぜひ使ってみてくださいね。
パワーポイントの効果的なグラフの作り方【まとめ】
今回はパワーポイントで効果的にグラフを作るためのポイントを解説いたしました。
グラフはそれぞれに取り扱うのが得意・不得意なデータがあります。
グラフごとの特徴を理解し、表現したいデータをどのグラフを使って表現するのがベストか常に考えるようにしたいですね。
また、効果的に見せるためのポイントとしては「他との差をつくる」ことで目立たせ、「統一感を出す」ことで余分な情報を減らすことです。
今回ご紹介した5つのポイントは一つ意識するだけでも効果を発揮してくれるテクニックなので、ぜひ積極的に活用してみてください!
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