
プレゼン資料やスライドを作成する際、皆さんは何を参考にされていますか?
検索エンジンで参考になりそうなサイトを探したり、画像検索をされる方も多いと思います。
なんでもインターネット上にあるこの時代、世界中の人々が共有しているのは画像や動画だけではありません。
パワーポイントなどで作られた資料を閲覧できるサイトがあります。
特に海外のスライドはデザイン性の高いものが多く、そういった資料を作りたい方にはとても参考になると思います。
本記事では、パワーポイント資料の磨き上げに役立つ、国内・海外のスライド共有サイトについてご紹介いたします。
参考になる国内・海外のスライド共有サイト3選
スライド共有サイトとは、自分がパワーポイントなどで作ったスライド資料を全世界または国内の人に向けて発信できるサービスのことです。
他の人が投稿したスライド資料を自由に閲覧することもできる非常に便利なサイトで、たとえば次のような使い方をすることが出来ます。

他の人が作ったスライド作品を目にする機会はあまりないので、眺めているだけでも自分のスライドを改善するヒントが浮かんできそうです。
ぜひ国内や海外の優れたスライドを参考にして、パワーポイント資料のデザイン、レイアウト、ストーリー作成などの技術を積極的に取り入れていきましょう!
SlideShare
SlideShare(スライドシェア)とは、2006年にリリースされた海外のスライド共有サービスです。
元々はMicrosoft傘下のLinkedInが提供していましたが、たびたび運営会社が変わっていて、現在はScribd社が運営しています。
ホワイトハウス、ヒューレット・パッカード、IBMなどの有名どころも採用しているスライド共有サイトで、この類のサイトの中ではおそらく最も歴史があり有名です。

【SlideShareの特徴】
SlideShareの特徴は、ジャンルが豊富で公開スライド数1800万件以上と圧倒的な多さを誇ることです。
「プレゼン資料共有サービス界のYouTube」というイメージですね。
数多く当たって参考になるスライド資料を探されたい方は、まずslide shareを覗いて見ると良いと思います。
海外のかっこいいスライド資料も数多く投稿されていて、アクセス数(view)の多いスライド資料は完成度が高いことが多いです。
優れたスライドからデザイン又はプレゼンのストーリー作成のヒントを得たい時に活用する、という使い方がオススメですよ。
【SlideShareの惜しいところ】
世界中で利用されているSlideShareですが、残念な部分もあります。
それが次の3つです。
・再アップロードできない
・過去のスライド資料は有料プランに入らないと見れない
・有料プランには毎月8.99ドルかかる
中でも致命的なのは再アップロードができないことです。
再アップロード機能があれば、改定したスライドをアップロードしなおしたとしても、それまでに付いた視聴数(view)やいいね数(likes)、URLはそのまま引き継ぐことが出来ます。
しかし、現在のSlideShareではその再アップロード機能が削除されています。
理由は不明ですが、view数を稼いでから他の不当なスライドに差し替える人もいたから廃止されたのでは?と推測するユーザーもいました。
そのため、スライド共有をメインで使われている方の中には、再アップロード機能が実装されている「ドクセル」や「Speaker Deck」など他の共有サイトへの移行を考えている人もいるようです。
また、運営会社がScribd社に変わった関係で、無料会員/非会員では従来の使い方が出来なくなっています。
具体的には、以下のような仕様変更があったようです。
- スライド資料のダウンロードはサブスク会員でしか行えない
- 無料会員/非会員では月々の閲覧数に制限が掛かる
そのため、上記の制限を解除するためには、Scribdのサブスクリプション ($8.99ドル/月)に登録する必要があります。
数百万の電子書籍・オーディオブック・雑誌・ポッドキャストなどを利用し放題というおまけ付きですが、全て英語のコンテンツなので注意しましょう。
30日間は無料で試すことが出来るので、実際に使ってみた上で継続するかどうかを判断されるといいかもしれませんね。
SlideShare
Speaker Deck

Speaker Deck(スピーカーデック)も先ほどご紹介したslide share同様、スライド共有サービスの中でも有名なサイトになります。
運営会社はサービス開始当初はGitHubでしたが、現在はFewer and Faster社が運営しています。
ITやプログラミング関連を中心に20万件以上のスライド資料が公開されており、モバイルからの閲覧がしやすいと評判です。
基本的な機能はSlideShareとあまり変わりません。

【Speaker Deckの特徴】
Speaker Deckの特徴は、SlideShareと比べて日本語スライドの量が断然多いことです。
ビジネス、How-to&DIY、Marketing&SEOなど、ジャンルによっては7割以上のスライドが日本語スライドで埋め尽くされていました。
サイト構成はSlideShareとほとんど変わらないので、直感的に使いやすい点も嬉しいですね。
こちらのサイトもSlideShareと同じように、スライド資料の下に閲覧数が表示されているので、多くの人に見られている優れたスライドを簡単に見つけられます。
閲覧のみの利用であれば無料でも十分に使えるSpeaker Deckですが、スライド資料を頻繁にアップロードされるヘビーユーザーの方はSpeaker Deck Proへの加入を検討しても良いかもしれません。
Speaker DeckProにアップグレードすることで以下の機能が解放されます。
- 独自のURLを設定できる
- スライドの非公開/パスワード設定に対応
- アップロード処理が優先的に行われる
- 無制限にアップロードできる
- アップロード日時の指定できる
- 埋め込み時にSpeaker Deckのロゴが消せる
- ダウンロードを禁止できる
- 広告の非表示
利用料金は月額プランが8ドル/月、年間プランが80ドル/年に設定されています。
無料でも見るだけなら全然大丈夫ですが、Speaker Deckを多用される方や応援したい方は有料プランへの加入も検討してみてくださいね。
【Speaker Deckの惜しいところ】
Speaker Deckの検索機能がやや使いづらく、自分の見たいスライドを狙って検索表示させることは難しいです。
その代わりにビジネス、デザイン、プログラミングなど様々なカテゴリが用意されているので、基本的には興味のあるカテゴリに投稿されている膨大な資料に片っ端から目を通していくという使い方がオススメです。
Speaker Deck
ドクセル(Docswell)
ドクセルはなんと日本のサービスで、2021年3月にリリースされたばかりの今注目のスライド共有サービスです。
サービスが開始して間もないにも関わらず、2400件ものスライドが投稿されています。
現状はテック系のスライド投稿が多いですが、ビジネス、アート、研究発表、サービス紹介など多数のジャンルが用意されています。

今後ドクセルの知名度が上がっていけば、他のジャンルも充実していきそうですね。
【ドクセルの特徴】
ドクセルの特徴には次の3つがあります。
- 数少ない日本語対応のスライド共有サービス
- タグ機能で狙った人にスライドを見つけてもらいやすい
- 高画質なスライドを共有できる
中でもユニークな機能は「タグ機能」でしょうか。
ほとんどのスライド共有サイトではビジネス・教育といったカテゴリ別にスライドを整理していますが、ドクセルではカテゴリでの分類に加えてハッシュタグを付けることが出来ます。
TwitterのようなSNSと同じ感覚で使えるので、タグの付け方次第では狙った人に見てもらえる確率が高まりそうですね。
また、Full HDでスライドを投稿できるため、そのままプロジェクターで映し出すことも可能になっています。
【ドクセルの惜しいところ】
ドクセルの惜しいところは「同じユーザーの連投が目立つ」ことです。
新サービスということもあり、おそらく大勢の方が他のスライド共有サイトから移行されている真っ最中なのかもしれません。
そのせいか1ページまるごと1人のユーザーのスライドで埋め尽くされてしまうという事態も発生していました。
たくさんの作り手のスライドに効率よく目を通せる、というスライド共有サイト特有の良さが発揮できていないのが現状です。
しかし、全体的には日本人にとって非常に使いやすいサイトになっているので、今後のアップデートで改善されることを期待したいですね。
ドクセル(Docswell)
スライド共有サービスを使いこなす方法
スライド共有サイトの良い所は膨大な数のスライド資料に目を通せることだけではありません。
アイデア次第で他にも様々な使い方ができます。
そこで、スライド共有サイトを使いこなす方法を2つご紹介いたします。
個人や会社のマーケティング・ブランディング
スライド共有サイトは多くの人がスライド資料を閲覧しに来る場所です。
創業初期の段階で知名度が低い企業などは、いかにして自社のことを知ってもらうかが課題になりますが、自社のスライド資料が評価されればマーケティングやブランディングに繋がる可能性があります。
そこで自社のスライドをアップロードしてみてはいかがでしょうか。
たとえば商品紹介スライドがきっかけで受注に繋がることもあるでしょう。
また、直接的に仕事に繋がらなくても、質の高いスライドが話題になって自社について知ってくれる人が増え、結果的に自社のブランディングになることもあるかもしれません。
閲覧して参考にするだけでなく、自社の資料をこういった共有サイトで公開することも検討されてはいかがでしょうか。
社内勉強会やセミナー受講生のアウトプットの場として活用
スライド共有サイトによっては非公開共有機能(限定リンク)が付いています。
その機能を使えば、共有サイト内に資料を公開することなく、リンクを知っている人だけに資料を共有するといった使い方が可能です。
これを応用して、社内勉強会や有料セミナーの参加者限定の資料として活用することなども出来そうですね。
その点、ドクセルは日本人にとって使いやすいスライド共有サイトになっています。
数少ない日本語対応しているスライド共有サイトですし、直感的に理解しやすいサイトデザインですからね。
ただし、使い勝手が良いと感じるかは人それぞれな部分もあるので、まずはドクセルを試して、その後で他のサイトも使ってみるという流れが良いのではないでしょうか。
人気のスライド作品を見て参考にしてみよう
スライド共有サイトは良くも悪くも、どんな人でもスライド資料をアップロードすることができます。
そのため、スライドの質は玉石混交。
なかなか優れたパワーポイント資料を見つけられないということもあるかもしれません。
そこで最後に、ぜひ参考にしたい人気のスライド作品を2つご紹介したいと思います。
デザインやレイアウトに悩んだら参考にしたいスライド作品
「事例で学ぶデザインの原則 by Life is Tech !」はSlideShareで公開されているスライド作品です。
スライドショー形式で、デザインの原則について学ぶことが出来ます。
優れたパワーポイント資料を作成するための原理原則を思い出させてくれるので、スライド作成に行き詰まった時にこちらの作品を見ると良いヒントが得られるかもしれませんね。
現在はScribdの有料プラン($8.99ドル/月)に加入しないと閲覧不可になっていますが、30日間は無料で試せます。
まずはお試しで登録してみてはいかがでしょうか。
日本のトップ企業のスライド作品
続けてご紹介するのは株式会社メルカリの人材採用を成功させるためのブランディングについてまとめられたスライド資料です。
優秀なエンジニアを採用し続けるために「いかにして人材を集めるか」について語られています。
スライドの作り方だけでなく、これからの採用の考え方についても勉強になるので、興味のある方はこちらの作品も参考にしてみてくださいね。
スライド共有サイト・まとめ

本記事では参考になる国内・海外のスライド共有サイト「SlidehSare・Speaker Deck・ドクセル」の3つをご紹介しました。
他にもスライド共有サービスはありますが、ひとまず上記3サイトを押さえておけば大丈夫です!
これらのサイトはスライドの参考になる作品を見つけるだけでなく、あなたの作ったスライドをアップロードして多くの方に見てもらうこともできます。
特に「ドクセル」では日本の企業が会社説明資料や商品・サービスの紹介、あるいは個人の方がHow toモノのスライドをアップロードされています。
自社のスライド資料を共有することで、企業のマーケティングやブランディングへの効果も期待できますから、ぜひスライド共有サイトをフル活用していきましょう!
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